よくあるご相談
1)土地について
Q.お隣りが土地の境界確定測量をしたいと挨拶にきました。
A.土地の筆界は法で定められている線です。現地でわからない場合は土地家屋調査士が測量データから様々な資料を基に導き出します。今後のご自身が所有されている土地の境界線にも関係しますので、もしお手元に図面などお持ちであれば提供ください。また現地での立合いにて境界が明らかになりましたら、きちんと境界標を明示してもらうようにしてください。
Q.現地と法務局に備えられている公図の形状が違っているようです。
A.公図と呼ばれる図面に記載されている線は筆界とも呼ばれ、法律で決められている線になります。長年の利用形態により、現地と実際の境界の位置に食い違いが生じている場合もありますが、昔、手作業により公図を書き移した際に間違ってしまったケースもあります。前者のケースについては境界の位置をはっきりとさせて、現況と公図を合わせるために土地を分筆し、所有権を移転することもあります。後者の場合は公図に誤りがあることを証明できる書類を提出して地図訂正の申し出を行うことが出来ます。
2)建物について
Q.建物を新築しました。登記しなければならないのでしょうか。
A.速やかに、表題登記をすることをお勧めします。不動産登記法第47条の規定により、完成後1か月以内に表題登記(新築)を申請しなければならないと定められています。
長い間登記をしないでおくと、関係書類の取得に時間が係る場合や、誰の所有であるかが不明になる場合もございます。
Q.長年未登記だった建物を登記したい。
A.まずは建築当時の書類を探してください。建築確認書、工事の請負契約書、工事代金の領収書や建築業者からの工事完了引渡証明書などです。なければ家屋の納税証明書や火災保険証書など家屋の所有者が特定できる書類が何点か必要になってきます。途中の増築工事の有無などの調査も要するため、新築間もない建物と比べると年月が経つにつれて手続きが複雑になります。専門家である土地家屋調査士へ依頼されることをお勧めします。
Q.亡くなった父親が建てた未登記建物を息子である私の名義で登記したい。
A.相続人が他にもいる場合は、遺産分割協議において相談者がその建物を相続する旨を証した書類(遺産分割協議書)が必要になります。併せてお父様が所有していたことを証明する書類(建築当時の書類など)も必要となってきます。
Q.亡くなった父親名義のままだった建物が滅失しました。登記はどうしたらよいか。
A.相続人の1人から建物滅失登記の申請は可能です。相続を証する書類と建物の滅失を証明する書類が必要になります。またかなり昔に滅失した建物であっても滅失登記は可能ですので、その場合もなるべく早く手続きをしてください。
Q.リフォームをしました。登記の変更は必要ですか。
A.床面積に増減がある場合、構造や屋根材また建物の用途を変更した場合は建物表題部変更登記が必要になります。吹き抜け部分に床を張った場合やこれまで天井高が1.5m未満の小屋裏収納室の天井を抜いて天井高が1.5m以上となった場合も変更登記が必要となりますので注意してください。なお、キッチンやお風呂等の水回りを一新した、和室を洋室にしただけで床面積に変更がなければ必要ありません。
Q.先代から引き継いだ建物について登記はされていたはずだが、未登記ではないかと言われ心配になった。
A.まずはお近くの法務局へ行かれて登記事項証明書を申請されてみてください。今とは違って昔の建物の場合は土地の地番と建物の番号がリンクされていなかったり、また土地を分筆や合筆により、今とは違う土地の地番上になっていたりすることがあります。その場合は専門家でないと見落としてしまうこともあります。もしくは固定資産評価証明書をみていただくと、登記されていれば家屋番号が記載されているので確認できます。
Q.持ち家を担保に銀行から融資を受けたいのですが、建物の登記を今の建物の現状に合わせるように銀行から言われました。
A.建物表題部変更登記が必要とのことでしょうか。増築の経緯があるようでしたら、増築工事の際の建築確認書類や工事の契約書、工事代金の領収書、工事完了引渡証明書など当時の書類を探してください。もし見つからない場合は他にも所有権を証明する書類が必要になりますので、土地家屋調査士に依頼されることをお勧めいたします。
Q.二世帯住宅の建物表題登記について
A.親と子の片方が資金を出して建築した場合は、資金を出した方の単有名義で、それぞれが資金を出しあって建築した場合は共有名義で登記することになります。また二世帯それぞれが独立した構造となっている場合は区分建物として登記することも可能です。
3)その他
Q.筆界特定とは、何ですか。
A.筆界特定制度とは、法務局が行う、土地の筆界(境界)が不明な場合に、法務局に申請して、筆界を特定してもらう手続きです。東京都内においては、東京法務局本局でのみ、相談、申請が行えます。詳細の申請手続きについては、土地家屋調査士に相談することをお勧めいたします。
Q.境界紛争解決センターとは何をするところですか。
A.土地の境界に関する紛争について、土地の境界の専門家である土地家屋調査士と、法律の専門家である弁護士が関与して、相談及び調停を行っています。東京土地家屋調査士会と、東京3弁護士会(東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会)が協働で運営する民間のADR機関です。
なお、センターは裁判によらない紛争解決機関として、法務大臣の指定を受けています。